2020年10月26日月曜日

恐怖の王国:アンブローズ・ビアス著

皆さん、お疲れ様です。

本日は、読書の秋という事で、ハロウィーンの季節に読みたい怖い話の本を御紹介!

沖縄も急に寒くなってきた今日この頃、静かな夜に読書するのは最高ですね。

ということで御紹介する本のタイトルは、「恐怖の王国」。(タイトルから怖い!)

世界こわい話ふしぎな話傑作集の6番目、アメリカ編です。

英米文学の翻訳家:岡本浜江さんによる文で、挿絵は井江栄さんという方。

1984年に金の星社から出版された児童書で、著者はアメリカの作家:アンブローズ・ビアス氏。

アメリカの恐怖小説作家としては、エドガー・アラン・ポー氏や H.P.ラグクラフト氏が有名ですが、ビアス氏も凄い作家ですよ。

ビアス氏は、70歳を過ぎた晩年の1913年に動乱中のメキシコへ向かい、消息を絶ってしまったという。

                                                       (アンブローズ・ビアス氏写真)

これは、当方が中学2年生か3年生の頃に読んだ本で、怖い話が読みたくて中学校の図書館から借りました。

何の予備知識も無く読み始めたのが、この本のタイトルになっている「恐怖の王国」原題:「月明りの道:Moonlit Road」で、はじめはただの回想録だとしか認識出来ませんでした。

とにかく話の最後になって謎が解け、今まで読んできたストーリーが一気に繋がった時、鳥肌が立ち、読むのを止めました・・。

当時は、まだ当方もナイーブな思春期だったのですから、無理もありません。あまりにも怖すぎたのです。

しかし、時がたち、あの頃の戦慄をもう一度という事で、ビアス氏の著書を購入し、再読。

氏の書いた幽霊話は、ほとんど短編で、あの「月明りの道」が文豪:芥川龍之介氏に影響を与え、傑作「藪の中」が生まれた事を知りビックリ!

芥川龍之介氏は、一時期、海外の恐怖小説を読みまくっていたそうです。

アメリカの幽霊話は、日本物より怖くないだろうと思っている皆さん、一読をお勧め致します。

因みにこの本の収録作品は、以下:

・恐怖の王国(原題:月明りの道):Moonlit Road

・シロップのつぼ:A Jug Of Sirup

・小さな浮浪者:A Baby Trump

・右足の中指:The Middle Toe of the Right Foot

・幻想の世界:The Realm of the Unreal

・悪魔の辞典より:The Devil's Dictionary


アンブローズ・ビアス氏の作品に興味を持たれた方には、「壁を叩く音」もお勧めです!

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