2020年10月17日土曜日

第3回:トム・サリバン Tom Sullivan Part3

皆さん、お疲れ様です。

今回で3回目となりますが、トム・サリバン氏の続報です。

1981年「死霊のはらわた」完成後、サリバン氏は、ペニーさんと1982年にサンフランシスコへ引っ越す。(ILMが好きだからなのか、サンフランシスコの事を氏は、ILMランドと言ってます。)

引っ越しが落ち着くと、サンフランシスコにある「カオジウム社:Chaosium Inc.」(ロールプレイングゲームを製作販売する雑誌社)へ出向き、「The Cry of Chutlhu」の為に描いた絵やイラスト等を見てもらう。

気に入られ、クトゥルーロールプレイング・ゲーム雑誌の表誌やイラストを担当する事になり、18年間描き続けた。

また、ラヴクラフト原作本の挿し絵等も描いております。

                                        (クトゥルーロールプレイング・ゲーム雑誌:写真)

1984年には、コマ撮り用アーマチュア専門制作販売会社:イリュージョン・エンジニアリングをボブ・ミーズ氏と共同設立。

                                             (イリュージョン・エンジニアリングのロゴ)

「死霊のはらわた」が日本公開された1985年(昭和60年)、サリバン氏は、「ホラーワールド」という日本での映画プロップ展示会&イベント等で「死霊」劇中プロップを持参して来日している。(奥さん:ペニーさんも一緒だった様です。)

しかし、イベント終了後、いくつかのプロップが盗まれていた事が判明。(多分、切断されたリンダの首)

アメリカ国内でのコンベンションには、「死霊」プロップを展示する氏だが、海外からのプロップ展示依頼に対しては、日本で盗まれた件で対応出来ないそうだ。

他にもクリス・ウェイラス氏制作の「グレムリン」プロトタイプもその時に盗難にあっており、事が日本だというのが非常に残念で、両氏に対して申し訳なく思います。(盗んだ奴、返せ!)

                                                      (ホラーワールド:パンフ写真)

サリバン氏は、1985年に再びサム・ライミ監督から「死霊」続編制作の為、招集されるが、「今回は特殊メイク担当ではなく、コマ撮りだけやらしてくれ!」と頼んだ事で、メイクは、KNBが担当した。(やはりコマ撮り狂)

                                                      (死霊のはらわた2:ポスター)


サリバン氏が担当したコマ撮りパートは以下、

・死者の書登場オープニング

・死者の書制作

・ヘンリエッタ登場シーン

・アッシュの髪が白髪に変化するエフェクト

・カンダリアン・ダガー制作

・空飛ぶ死霊デダイト等を担当。

・サリバン氏と奥さんは、「死霊のはらわた2」にエキストラでも出演。

                     (死霊PT2メイキング写真1枚:空飛ぶ死霊をアニメート中のサリバン氏)

あまりのエフェクトの量の多さに氏だけではスケジュール対応出来なかった様で、ダグ・ベズウィック氏やリック・カティゾン氏らも参加する事に。

氏は、アッシュのちぎれた手のパペットも制作した様ですが、死霊に取り憑かれた手になってないので、没。(先日、紹介したクリープショーに、その手のパペットが掲載されてます。)

また、「死霊2」メイキングにヘンリエッタのアーマチュア写真が出てきますが、どうみてもイリュージョン・エンジニアリング制作の物にしか見えません。

しかし、リック・カティゾン氏が自身のサイトで掲載しているヘンリエッタのアーマチュア写真は、全く別物。

もしかしたら、サリバン氏は、アーマチュアだけしか準備出来なかったのかもしれません。


                                                   (ヘンリエッタ・アーマチュア写真2枚)


フィルモグラフィー:

It"s Murder ! :(ポスター&1部サウンドエフェクト) 1977

The Cry of Cthulhu : 1978(未完)

Crockwork :(タイトル) 1978

ウィズ イン ザ ウッズ1978(死霊のはらわたの出資を募る為に制作された約30分のデモ作品)

死霊のはらわた: 1981

死霊のはらわた2 : 1987

ザ・フライ2 : 1989

死霊のはらわた3:キャプテン・スーパーマーケット(オリジナル死者の書デザイン):1993


「死霊のはらわた2」の後、アカデミー賞受賞特殊メイクアーティストのクリス・ウェイラス氏に招かれて、CWIで「ザ・フライ2」のクリーチャー制作に参加。

クリーチャーの顔やボディの彫刻を担当し、初めてプロの現場で彫刻や型取りをしたのだそうだ。

CWIでは、同じコマ撮り狂のジョン・バーグ氏がスーパーバイザーとして働いており、親交を深めた。

                                                     (フライ2:クリーチャー写真)

以前、サリバン氏がライミ監督に無断で「ウィズインザウッズ」のビデオをファンにあげた事でケンカになったとウワサがありましたが、サリバン氏は、ライミ監督から「ダークマン:1990」撮影時、直々に撮影現場に招待されたそうです。

監督に撮影所内を丁寧に案内され、リーアム・ニーソン氏を演出するシーンも見学したのだそうだ。

その後、死霊のはらわた3:キャプテン・スーパーマーケット1993にオリジナル死者の書デザインとして参加している。

最近は、コンベンションで「死霊のはらわた」グッズやラグクラフト関連の絵を売ったりしてファンと交流を楽しんでおり、俳優としても活動しているそうだ。

以下、俳優としてのフィルモグラフィー:

 ・死霊のはらわた:(悪魔の手:クレジット無し)1981

・死霊のはらわた2:(サリバン氏と奥さんエキストラ出:クレジット無し)1987

・The Absence of Light:(Dr.Corrigan)2006

・The Dread:(Dr.Boorstin)2007

・The Bureaucrat :2007

・Suburban Heroes:(TV)2007

・Dog:Bum 2009

・Buddy BeBop vs the Living Dead:Mr.O'Brien 2009

・Dayplanner of the Dead:Zombie Tom :2013


やはりマルチな才能を持つトム・サリバン氏を誰も放っておかず、ついに氏のドキュメンタリー映画が完成 !

                                                              (ドキュメンタリー:写真)

皆さんもサリバン氏のドキュメンタリー映画予告を確認してみて!

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