今日は、作品の製作の経緯とスタッフ等についての調査結果報告になります。
「ミミック:公開版」
1997年度作品/上映時間:1時間46分(106分)
6巻・2,906m/ドルビーSR-D/SDDS
上映サイズ:ビスタ(1:1.85)/字幕翻訳:岡田壮平
提供:松竹(株)アミューズ/配給:松竹富士
オリジナルサウンドトラック:カルチュア・パブリッシャーズ
ミミック(mimic):1997年公開アメリカ映画
監督:ギレルモ・デル・トロ
原作:ドナルドAウォルハイム(1914~1990)による短編小説「ミミック」。
(ミミックとは、英語で擬態する生物、擬態するものを意味する。)
1994年に原作を読んだデル・トロは、「自然界の種が生き延びる為に人間の姿を模倣する」というコンセプトに魅了されたそうだ。
この作品は、最初ミラマックスが企画したSFホラー・コメディー作品のうちの一遍(30分)で、最初のウォーキング・タイトルは、”JUDUS”であった。
撮影は1996年9月22日にクランク・インし、1997年1月4日にクランク・アップ。
この時、デル・トロは三本の短編作品と一本の長編作品「クロノス」しか監督していなかったが、本作「ミミック」が、デル・トロのハリウッド映画デビューとなった。
脚本に「ドラゴンスレイヤー」の監督:マシュー・ロビンスが関わっており、クレジットされている。
他にもジョン・セイルズ、スティーブン・ソダーバーグ、マット・グリーンバーグらも参加しているが、ジョン・セイルズとマット・グリーンバーグは、公開版の予告編とTVスポットにのみクレジット。
ソーダーバグは、ノンクレジット。
ディレクターズカット版で、デル・トロがソーダーバーグも脚本に関わっている事を明言している。
他にもミミックのデザイン監修として「遊星からの物体X」のSFXを担当したロブ・ボーティーンがデル・トロの要望に応えて参加しており、パペットの制作は、リック・ラザリーニ(キャラクターショップ)が担当。
プロダクション・デザインをクローネンバーグ組のキャロル・スパイアが担当し、スタイリッシュなタイトル・デザインは「セブン」のカイル・クーパーが担当している。
主演のミラ・ソルビーノは、この当時交際していたタランティーノに勧められて参加しており、デル・トロによると、タランティーノは、この作品に好意的だったそうだ。
また、製作秘話として撮影中、デル・トロの父親が誘拐されるという事件が発生している。(後日救出された。)
しかし、それ以上に監督のデル・トロにとってミミックの制作は、彼の今までの人生の中で1番ひどい経験だったと言っている。
その理由は、実際に撮影中、製作の1人であったボブ・ワインシュタインによる度重なる予定変更、理由も無く頻繁にセットを訪れ撮影方法及び製作方法等いろいろ邪魔した経緯があったからだろう。
しかもデル・トロは、この映画の権利を所有していないと言われている。
この件以来、デル・トロは、ワインシュタイン達と仕事をしていない。
この時の経験が後日「パンズラビリンス」において表現され、他の作品の製作を担当するようになった理由と思われる。
ミミックには、続編として2と3があるが、デル・トロによると3が一番原作に近いそうだ。
在米時、今作のクリーチャー制作のスタッフとして関わっていて、彫刻やファブリケーション等を担当した。
デザイン監修のロブ・ボーティーン氏も工房に顔を出したり、テスト撮影等かなり予算のある作品だと思った。
毎回、スタッフらと10時や3時にはローチコーチと言って移動パーラーが回ってくるたび、菓子パンやドリンクを買って一息入れていたのが懐かしい。
その時の制作の様子がネットで確認出来るので、以下にUPしてみた。
それではYoutubeから予告編を確認してみて!