2020年11月16日月曜日

死霊のはらわた2: SFX of Evil Dead 2


皆さん、お疲れ様です。

「死霊のはらわた2」の特集に合わせて「Part 2の特殊撮影」を続けて御紹介。

(先日お届けした内容と重複しない様に注意したいと思います。)

バート・ピアース氏も少しだけ特殊撮影に参加(再撮)しておりますが、Part 2特集の第1回目は、やはりあの方、そうトム・サリバン氏でーす!

先日のサリバン氏特集と「クリープショー」の紹介で、サリバン氏が担当出来なかった特殊撮影部分は、お伝えしておりますので、再度そこら辺も確認してみて下さいませ。

今回は、以前紹介出来てない部分の特集です。

はじめに「死霊のはらわた2」制作開始当初、サリバン氏は特撮スーパーバイザーとして全てのSFX 監修をライミ監督から依頼されたのですが、その提案を断り、特殊メイクは、KNB に任せ、念願のダイナメーションとプロップ制作だけに専念。

氏は、撮影現場のノースカロライナ州にあるスタジオへ行き、2週間程そこでプロップ制作をしたそうだが、途中で家族のトラブルが勃発し、解決の為ミシガン州へ一時里帰り。

しかし、Part 2のサリバン氏は1人ではなく、今回はチームとして特撮とプロップ制作を担当。

以下、サリバン氏担当特撮パート。

・オープニング(死者の書登場)

・「死者の書」再デザイン&再制作

・カンダリアン・ダガー: 再デザイン&再制作

・ヘンリエッタ登場カット

・ヘンリエッタ:アーマチュア制作

・アッシュ髪の毛変色カット

・ウイングド・デダイト(空飛ぶ死霊)

・サム・ライミ監督が演じる予定だったスコットの死霊アニモデル制作。(カット)

・死者の書が暖炉で焼かれるシーン(カット)

以上がサリバン氏の担当ですね。

出来るだけ詳細な特集をしたいので、3回程に分けて紹介していきたいと思います。

さて、今回は、「死者の書」登場のオープニング部分を御紹介 !


●サリバン組特撮メンバー : 3人

・トム・サリバン氏(アニメーター&プロップ制作)

・ラリー・ラーソン氏(撮影担当)

・ブライアン・レエ氏(アニメート助手&撮影助手)

ポスト・プロダクション時にアニメーション撮影は行われたそうで、ミシガン州デトロイトの空き倉庫をスタジオとして使用。

サリバン氏担当パートには、ブルーバック合成やコマ撮り等があり、コマーシャル等のアニメーション撮影を手掛けていたベテラン特撮マンのラリー・ラーソン氏が35mmミッチェル・カメラを使用して撮影を担当。

サリバン氏は、巨匠ハリーハウゼン氏達が使用したのと同型のミッチェル・カメラを使用して撮影出来る事にとても興奮したそうだ。

しかし、制作中にラーソン氏御家族の緊急事態が発生した為、氏が途中で抜けてしまい、撮影担当者が不在に !

そこで、撮影助手の当時18歳だったブライアン・レエ氏が撮影を急遽担当 !

急な事に緊張したレエ氏だったそうだが、ラーソン氏から引き継いだ撮影を無事にこなしたそうだ。

「死者の書」の制作は、サリバン氏によるもので、アニメーションパペットとして内部ベースに木枠を使用し、アーマチュアが組み込まれ、目や歯が動く様に制作されておりました。また、ページの部分には、内部にアルミワイヤーが仕込まれ、アニメート出来る様になっていたそうです。

驚いた事に本の外皮(人の顔の皮を模した彫刻)は、ラテックスではなく、スムーズオンを使用したとの事 !

(「狼男アメリカン」のトランスフォームに使用された画期的な素材でした。)

「死者の書」登場シーンは、ブルーバックを使用してアニメーション撮影。


         (ブルーバックの前で死者の書をアニメートするサリバン氏)

それから本のページを開いてサリバン氏が絵を描きながら撮影し、後半は、先に描いてあった絵を張り付けながら開いてアニメート。



時空間の渦は、2つ描き、それらをダブル・エクスポーズ合成。また、渦の絵は、4フィートの回転板を回して簡単に描いたそうだ。

           ※(時空間の渦を描くサリバン氏)

時空間に登場する数体の骸骨死霊アニモデルは、アルミワイヤーにスカルピー彫刻で制作し、アニメート&合成。

以上の工程を経た上で、全てを合成し、オープニングシーンは制作されたのです!

今回、調べてみて、その作業量の多さにビックリしましたヨ!

それでは、オープニングの「死者の書」登場シーンの動画をじっくり確認してみて!

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